季節の見どころ 2016

夏は涼しい水辺で過ごしませんか?

八王子市東部地区公園の中には、水にまつわる言葉が入った公園が数多くあります。

大塚堰場公園、大塚ゆざわ公園、梶川公園、上柚木ゆざわ緑地、柳沢の池公園、せせらぎ緑道、堀之内洗馬川公園、大栗川公園、堀之内寺沢~公園、松木川端公園、南大沢~公園、溜池公園、清水入緑地、鑓水~公園、神子沢公園などなど。

公園名は地名などから付けられることが多いので、それだけ水が豊富な土地だったということです。

東部地区の中心には、大栗川とその支流の大田川が流れ、周辺の丘陵地には湧き水もたくさんあります。湧き水や川、池など水がある場所では、水が蒸発する際に、気化熱によって周囲の気温を下げる効果があります。また、水の流れる音は、聞くだけでも涼しい気分にさせてくれます。暑い夏、川や池、湧き水などの水辺を訪れて、涼んでみてはいかがでしょうか。

水辺のある公園をいくつかご紹介します

大塚なかおね公園・陽光台緑地

大塚なかおね公園脇の斜面から、湧き水が湧き出しています。樋を通って桶に溜まった水は、きれいに澄んでいて、カワニナやサワガニも生息しています。大塚地区一帯には、他にも同じような湧き水が何か所もあります。

かつて、このあたりの谷は「塩釜谷戸」と呼ばれていました。その昔、塩分を含んだ水が湧き出しており、それを釜で煮詰めて塩を作っていたのが名前の由来と言われています。

 

せせらぎ緑道

かつてこの場所には別所川という川が流れていました。ニュータウン開発で埋め立てられてしまいましたが、その上に人工のせせらぎが造られました。上流にある長池公園から湧き出した水が、長池→築池→せせらぎ緑道→大栗川へと流れています。

堀之内駅から長池公園まで、せせらぎ沿いを歩くことができます。街並みと調和した近代的な雰囲気の区間や、木陰の中を流れる自然の渓流を再現した区間があり、四季折々の草花や水辺の生き物など、様々な景色を楽しめます。

せせらぎの中には、アメリカザリガニやエビ(外来種のカワリヌマエビの仲間)、カワニナ、モツゴ、ドジョウなどが生息しています。カワセミやカルガモ、コサギなどの水鳥も訪れます。

 

大塚西公園

コンクリートで囲まれた人工の池があります。昔は、水が循環していましたが、今は雨水のみで維持されています。水の流れが無いため樹木の落ち葉が底に溜まりやすく、それが腐ることで水が富栄養化して、一面アオミドロ(緑色で糸状のコケ)が発生していました。そのため、昨年度から定期的に水底の落ち葉を取り除き、水質浄化のために水草を植栽しています。その成果もあってか、今年は昨年よりもアオミドロが少なく、水も澄んでいます。

夏の時期、池の中をのぞくと、たくさんのメダカが泳いでいるのが見えます。メダカは、春から夏にかけて繁殖シーズンを迎えているため、お腹に卵をつけたメスが多くみられます。池の中には、他にもにもモツゴやヨシノボリも暮らしています。

東中野公園

丘陵の雑木林が残された園内に、日本庭園風の大きな池があります。池のほとりには東屋があり、池を眺めながら日陰でのんびりと過ごすことができます(池に入ることはできません)。

東中野公園や、近くにある大塚西公園の池には、春(2~3月)になるとたくさんアズマヒキガエルが産卵に訪れます。子孫を残すために、オスは我先にとメスに抱き着こうとしますが、時には別の生き物に抱き着いたり、1匹のメスに数匹のオスが抱き着いてしまうこともあります。この様子は、蛙合戦と呼ばれます。

この他にも、コサギやダイサギ、カワセミが訪れることもあります。

柳沢の池公園

江戸時代に下柚木の領主であった、柳沢氏によって作られたため池です。公園周辺が農村地帯だったころには、周辺の田畑を潤していました。

現在は、公園の一部となって、池の周囲は生き物を保護するためにサンクチュアリになっています。

柳沢の池公園で見られる生き物たち

サワガニ

ホンドタヌキ アナグマが掘ったと思われる巣穴を調べてみると現在の住人はタヌキでした。フンや食べ跡も見つかっています。


 

季節の見どころ 2015

夏に出会いたい昆虫ランキング Top-5

夏の生きものと言えば、やはり昆虫でしょう。昆虫との出会いを求めて野山を駆け回っていると、まるで宝探しさながらの気分です。子どもから大人まで、なぜか心を奪われる夏の昆虫たち。今回は、八王子市東部地域で見 られる昆虫の中から、特にこの夏出会いたい!出会えた嬉しい!そんな種類をランキングにしてみました。(※ ランキングは独断です。)

第 1 位 カブトムシ

やはり、甲虫の王者カブトムシが 1 位にランクイン。カブトムシを求めて樹液の出る木を探したり、幼虫を飼って育てたり、その存在は日本の夏の風物詩となっています。八王子市東部地域にもまだたくさん生息しています。

 

時期:6~8 月 

環境:クヌギなどの樹液が出ている大木・ムクゲの植栽木・落ち葉堆肥やウッドチップの中(幼虫) 

種類:ヤマトカブトムシ 

ポイント:幼虫は落ち葉堆肥の中に眠っています。また、成虫はムクゲの木に大集合していることがあります。 

第2位 クワガタ

夏休みの昆虫採集で大人気のクワガタ。ミヤマクワガタなどは滅多に見られませんが、ノコギリクワガタやコクワガタは比較的よく見かけます。市内の公園は動植物の採取が禁止となっているので観察後は逃がしましょう。 

時期:6~10 月(ノコギリクワガタの場合) 

環境:クヌギなどの樹液が出ている大木・雑木林内の朽木や倒木上など(ノコギリクワガタの場合) 

種類:ノコギリクワガタ・ミヤマクワガタ・スジクワガタ・コクワガタ・ネブトクワガタ 

ポイント:樹液の出る付近で見つからないときは、その木の根元を探してみると見つかることがあります。

第3位 カミキリムシ

日本離れした鮮やかな色合いが特徴のルリボシカミキリは、意外にも日本の固有種だそうです。子どもの頃、男の子は夢中になって美しいカミキリムシを探しましたが、材木置き場が宝の山に見えたものです。 

時期:6~9 月(ルリボシカミキリの場合) 

環境:クヌギなどの樹液が出ている大木・落葉樹の材木置き場など(ルリボシカミキリの場合) 

種類:ルリボシカミキリ・シロスジカミキリ・キイロトラカミキリ・ホタルカミキリ・ 

シラホシカミキリ・ラミーカミキリ・クワカミキリ・キボシカミキリほか多数 

ポイント:葉を食べるものや朽木を食べるものなど、種類によって食性や生息環境、発生時期はさまざま。 

第4位 タマムシ

虹色に輝くタマムシの翅、初めて見た方は誰もがその美しさに驚きます。千年経っても翅の美しさは失われない

と言われています。東京でもまだタマムシが普通に見られることは意外と知られていませんね。 

時期:6~8 月 

環境:エノキの大木がある雑木林や林縁・落葉樹の材木置き場など 

種類:ヤマトタマムシ・ウバタマムシ(アカマツ林に生息) 

ポイント:落葉樹の木材が積んであるようなところではメスの産卵が見られます。成虫はエノキの葉を食べます。

第5位 ホタル

夏の夜の風物詩、ホタル。多摩丘陵にも 10 種類近いホタルが生息しています。しかし、発光するホタルはその

うちのほんのわずか。光るホタルの代表格、ゲンジボタルが見られる場所は現在ではごく限られています。 

時期:6~7 月(ゲンジボタルの場合) 

環境:河川・湿地・貯水池など(ゲンジボタルの場合) 

種類:ゲンジボタル・ヘイケボタル・カタモンミナミボタル・ムネイロクリボタル・ 

オバボタル・クロマドボタル・スジグロボタル 

ポイント:地域によって発生のピークは異なります。発光を見るなら雨上がりの日没~20 時頃がおすすめです。 

 

季節の見どころ 2014

 

もっと知りたいセミのこと 

公園が育むセミの暮らし

毎日、厳しい暑さが続いています。涼しい部屋の中にいても、車や電車に乗って出かけても、どこからともなく セミしぐれが聞こえてきて、夏の風物詩というよりもまず、蒸し暑さを連想してしまうのは私だけでしょうか。

八王子市東部地域にお住まいの皆さんならご承知のとおり、公園や緑地のみどりは必ずといっていいほどセミの 発生源となっています。一生のほとんどを土の中で過ごすセミにとって、このわずかな空間が重要なすみかとな っているのです。また、言い換えれば、セミは都市郊外の生態系には欠かせない存在であるとも言えます。最近 では、ヒヨドリやハクセキレイといった本来は小さな虫を専門に食べていた小鳥が、街中のセミを餌として捕食 するようになったほどです。 

知られざるセミの秘密

あまりにも身近な存在のため、セミの生態についてはよく調べられています。しかしながら、その習性や暮らし ぶり、体の仕組みにいたるまで、他の虫と大きく異なる特性を持っていることは、意外と知られていないのでは ないでしょうか。そこで、セミの不思議な生態についてまとめてみました。

✔成虫も幼虫も樹の汁を吸って一生を過ごすため、ストローのような形をした口を持つ。

✔頭の両端にある二つの目(複眼)の間にはさらに三つの目(単眼)がある。 複眼は物の形を見るため、単眼は明るさを感じるための目。両方が揃って、初めて完全な機能が得られる。

✔セミのオスは腹の内部が空洞で、ここで鳴き声を共鳴させている。メスは産卵管を持ち、腹部が細くすぼまる。

✔メスは枯れ枝の中に卵を産み、孵化した幼虫はそこから外に這い出して地表に落ち、土の隙間から地面に 潜り込む。その後、約 4 年間を地中で過ごし、地上に出て羽化する。

✔地面に潜り込むまでの間と、羽化前に地上へ出てくる頃には視力があり、前足の爪もあるが、地中生活中は 目も前足の爪も退化してしまうことが知られる。地中生活に不必要な部分を退化させ、無駄を省いている。 

✔セミは腹の発音器で音を出しており、鳴くのはオスのみ。メスを誘って交尾をすることが目的である。 

1 秒間に 100~200 回も伸縮する発音筋を動かして発音膜をふるわせることで音を作り、腹部の共鳴室で 音を大きく響かせている。 

身近で見られるセミの仲間

 

八王子市東部地域には、7 種類のセミが生息しています。このうち全域で普通に見られるものを発生する順番に書き示すと、ニイニイゼミ、ヒグラシ、ミンミンゼミ、アブラゼミ、ツクツクボウシとなります。

 

これら以外に、 場所によっては、本来南方系で近年その分布を広げているクマゼミが生息しており、 “シャシャシャ…”と特徴 的な声を耳にすることがあります。

 

さらに、東部地域には全国的にも貴重なセミの仲間が生息しています。シイ やカシなどの照葉樹林(鎮守の森)に特有のヒメハルゼミです。

漢字で「姫春蝉」と書くとおり、他のセミより も一足早い梅雨シーズンから鳴きはじめ、壊れたぜんまい仕掛けのような声が特徴です。また、合唱性といって、 一頭が鳴き始めると一斉に合唱する習性があります。

東部地域内でヒメハルゼミが見られる場所は、大きなシイやカシの木が残されている蓮生寺公園の周辺に限定されています。

長い間、手を付けずに守られてきた鎮守の森、 蓮生寺公園を象徴する生きものの一つとして、大切に保護していきたいと考えています。

ニイニイゼミ

ツクツクボウシ


八王子市東部地域のセミ一覧 名前  時期   鳴き声

 

 ヒメハルゼミ  6 月中旬~8 月上旬  「ギーオ、ギーオ…」「ウイーン、ウイーン…」

 ニイニイゼミ  6 月下旬~8 月中旬  「チー…ジー…」

 ヒグラシ  6 月下旬~9 月中旬  「ケケケケケ…」「カナカナカナ…」

 ミンミンゼミ  7 月中旬~9 月上旬  「ミーン、ミンミンミンミンミー…」

 クマゼミ  7 月中旬~9 月上旬  「シャシャシャ…」「センセンセン…」

 アブラゼミ  7 月中旬~9 月下旬  「ジジジジジ…」「ジリジリジリ…」

 ツクツクボウシ  7 月下旬~9 月下旬  「ジー…ツクツクツク…ボーシ、ツクツクボーシ」